ハゲタカチェックTMとは

「ハゲタカチェックTM」とは、研究者の方が論文を投稿する際、論文の投稿先のジャーナルがハゲタカジャーナルかどうかを調査し、その調査レポートを提供させていただくサービスです。

ハゲタカジャーナル(Predatory Journal)とは

ハゲタカジャーナル(Predatory Journal)とは、「粗悪学術誌」、「捕食ジャーナル」とも呼ばれ、論文の掲載料で利益をあげることを目的としたオープンアクセスの雑誌です。十分な査読が行われないため内容の正当性や品質の保障されていない粗悪な論文が掲載され問題となっております。

ハゲタカジャーナルと疑われるジャーナルに掲載されてしまうと、高い掲載料を請求されるだけではなく、その研究や著者自身に対する評価の低下などにもつながってしまう恐れがあるので、十分に注意が必要です。

弊社の「校閲者・コーディネーターの月替わりコラム」から、過去、「ハゲタカジャーナル」に関して取り上げたコラム記事を紹介させていただきます。の2017年10月のコラムを紹介させていただきます。

近年、「ハゲタカ出版(ジャーナル)」と呼ばれる現象が増大し、学術ジャーナルの確固とした公正さに対する脅威となっています。本稿ではこの問題について説明し、正統なジャーナルを認識する方法についてアドバイスをご提供いたします。(...続く)

数千ものジャーナルが学術論文を発表しています。これらのジャーナルのほとんどは重要なサービス、主なものとしては専門家による論文のピアレビューおよび経験豊富な編集部による投稿論文の査読を提供しています。多くのジャーナルは長い歴史と優れた評判を誇っています。

しかしながら、インターネットの発達により多様な不正行為が可能となり、学術界もこの傾向から無縁という訳にはいきませんでした。この傾向に便乗した者によって、著者から発表費用を搾り取るためだけに存在する多数のオンラインオンリー、オープンアクセスのジャーナルが立ち上げられています。これらのハゲタカジャーナルは、厳密なピアレビューも編集部による監視も提供せず、投稿された論文は、研究の質にかかわらず、ほとんどすべてが発表されます。

まずこういった問題があることの認識が不可欠であり、これらのハゲタカジャーナルはPubMed検索エンジンでインデックスされることはほとんどなく、インパクトファクターも無いに等しいものです。このため、自分の研究がこのようなジャーナルで発表されたとしても、他の研究者はこれを読むことができない可能性があり、またハゲタカジャーナルは評判が悪いので、これらとは関係を持たないことが一番でしょう。

以下の表で、正統なジャーナルとハゲタカジャーナルを区別する方法についていくつかのガイダンスを示しています。

昨年、「ハゲタカ出版(Predatory journals)」についての記事を公開しました。ハゲタカ出版は、正当な科学出版誌と関係のある編集者と専門家の査読を提供せず、高い出版料を請求します。(..続く)

2018年、ハゲタカ出版は、いまだ日本人研究者に悪影響を及ぼしている問題であり、日本の著者たちは、このようなハゲタカ出版に5,000件を超える論文を掲載しています1。さらには、「ハゲタカ学会」がもたらす脅威が増大しています。

ハゲタカ出版やハゲタカ学会は、世界中の研究者に電子メールを送り、原稿や抄録を投稿するよう勧めます。ハゲタカ出版に投稿された研究(論文)は出版され、ハゲタカ学会が開催されます。そのような団体は、手っ取り早くお金を稼ぐ動機だけで活動しているので、品質管理の手順を持ち合わせていないことがほとんどです。しかも、このようなハゲタカ(出版の)団体は、著名な研究者が当該学会に出席するとか、当該ジャーナルのインパクトファクターは高いとかいった虚偽の主張をすることがよくあります。

研究者たちは、数々のハゲタカ出版を暴こうと試みてきました。数百年も前に間違いであると証明された化学理論2、iOS(アップル社が提供するオペレーティングシステム)のオートコンプリート機能を使って書いた原稿3、たった一つの侮辱的な言い回しで構成された論文4など、意図的に作った欠陥著作物や意味のない著作物を投稿した例があります。このような欠陥著作物を、ハゲタカ(出版の)団体がアクセプトしたことで、これら団体には品質基準が全くないことが明らかになりました。

研究者たちがハゲタカ出版及びハゲタカ学会から身を守るにはいくつかの方法があり、以下に詳しく述べます。

・ご自分の研究分野での主要な出版社や学術学会を知り、聞いたことのない団体からきた電子メールに対して返事をするときには注意すること。

・当該団体の名称及び「predatory(ハゲタカ・捕食)」のキーワードを使って、オンライン検索を行い、その団体がハゲタカ的行為を以前に行ったという報告がないかどうか調べること。

・送られてきた電子メール及び当該団体のWebページを慎重に確認すること。スペルミスや文法の間違いが多くあれば、その団体は十中八九、正当な団体ではないでしょう。

・当該団体が、以下のWebページに掲示されていないかどうかを確認すること。このWebページ:https://beallslist.weebly.comには、ハゲタカ疑惑のある団体の一覧表が載っています。

・最後に、研究成果を投稿して、非常に迅速に採用され、出版料が高い場合、その出版誌は、おそらく適切な編集者と専門家による査読手続きを行っておらず、ハゲタカ出版である可能性があります。

References

1. Over 5,000 Japanese articles published in 'predatory' journals (Sep 2018). The Manaichi. https://mainichi.jp/english/articles/20180903/p2a/00m/0na/010000c [Accessed 23rd Oct 2018].
2. Stoye, E. Predatory conference scammers are getting smarter (Aug 2018). Chemistry World. https://www.chemistryworld.com/news/predatory-conference-scammers-are-getting-smarter/3009263.article [Accessed 24th Oct 2018].
3. Hunt E. Nonsense paper written by iOS autocomplete accepted for conference (Oct 2016). The Guardian. https://www.theguardian.com/science/2016/oct/22/nonsense-paper-written-by-ios-autocomplete-accepted-for-conference [Accessed 24th Oct 2018].
4. Safi M. Journal accepts paper requesting removal from mailing list (Nov 2014). The Guardian. Available online: https://www.theguardian.com/australia-news/2014/nov/25/journal-accepts-paper-requesting-removal-from-mailing-list [Accessed 24th Oct 2018].

ジャーナルから、どのようなテーマでも構わないから原稿を投稿して欲しいと熱心に依頼され、早期の出版を約束されたことはないでしょうか?もし、それが余りにも出来すぎた話だと感じたら、たいていはその通りでしょう!確かに、よく考えてみれば、評判の高いジャーナルに論文を掲載するのは、時間がかかる競争的なプロセスが必要であることはわかっている。このような依頼は、あなたの科学的卓越性ではなく、あなたのお金を求める略奪的ジャーナルから来ることが多いということが真実なのです。(...続く)

ハゲタカジャーナルは、研究機関の方針のズレや 頻繁に論文を出版しなければならないという研究者へのプレッシャーを悪用します。また、評判の良い学術誌の名前を真似たり、本人の同意なしに理事として学者を掲載したりするなど、欺瞞的な手法を用います。さらに、その手口はますます巧妙になり、正規のものと見分けるのが難しくなっています。しばしば本物そっくりのウェブサイトを開設し、表面的な査読を行うことで信憑性があるかのように装っています。そのため、研究者、特に資源に乏しい地域の研究者は、こうしたジャーナルに論文を投稿するよう惑わされてしまうのです。したがって、ハゲタカジャーナルを見分けるには、誤字脱字、連絡先のメールアドレスが不明瞭、信じがたいほど短い出版時期、高いアクセプト率、高額な一時金などの兆候を見極める鋭い目が必要です。

アカデミック・インテグリティの低下は、ハゲタカジャーナルから生じる重大な問題です。評判の良い学術誌に比べて査読期間が短く、リジェクト率も低いため、それを承知で出版する研究者もおり、質の低い研究の伝播につながっています。ありがたいことに、研究機関は研究者への支援を強化し、信頼できる学術誌で出版することの重要性を強調することで、ハゲタカジャーナルの影響と闘い始めています。要するに、ハゲタカジャーナルはより巧妙に進歩している中、科学研究と出版の完全性を守るためには、認識向上と研究機関の支援が不可欠なのです。

1. ジャーナルの評価と信頼性を確認する

DOAJ(Directory of Open Access Journals): 信頼できるオープンアクセスジャーナルのリスト。

JCR(Journal Citation Reports): インパクトファクターなど、ジャーナルの質を評価するための指標を提供。(..続く)

2. ジャーナルのウェブサイトを徹底的に調べる
連絡先: 住所や連絡先が明確かどうかを確認する。連絡先があいまいだったり、編集スタッフがフリーメールや個人のメールドメインを使っていたりする場合は要注意。
編集委員会 : 編集委員と査読者の氏名と所属を確認する。疑わしい場合は、これらの学者に直接連絡を取り、その関与を確認する。
出版時期と受理率: 異常に短い出版期間や高い受理率を約束しているジャーナルには要注意。

3. ジャーナルの評判を調べる
Beallのリスト: ハゲタカジャーナルのリスト。包括的なものではないが、有用な参考資料。
研究者ネットワークとフォーラム: ジャーナルの評判を同僚や専門分野のコミュニティで確認する。他の研究者の経験や意見は重要。

4. 出版費用と料金の確認をする
初期費用: 高額な初期費用を要求するジャーナルや、料金体系が不明瞭なジャーナルには要注意。評判の良いジャーナルは通常、費用について明確な情報を提供している。

5. 論文の質を評価する
掲載論文: ジャーナルに掲載された論文をいくつか読み、内容の質とレビューの厳密さを評価する。質の低い論文が多い場合は、赤信号。

6. 索引付きデータベースの確認をする
ScopusやPubMedなどのデータベース:ジャーナルが主要な学術データベースに索引付けされているかを確認。これらのデータベースに掲載されているジャーナルは、一般的に信頼性が高い。

7. 疑わしい場合は専門機関に相談する。
大学や研究機関の図書館: ジャーナルの信頼性について助言を求める。
出版倫理委員会(COPE): 出版倫理に関するガイドラインを提供し、助言を得ることができる。

NAIの提供する「ハゲタカチェックTM」レポートでは、2024年9月版の「校閲者・コーディネーターの月替わりコラム」で解説した7項目のレポートをご提供させていただき、最後に「総合評価」を提示させていただきます。具体的には、以下のような内容のレポートが納品されます。

※上記項目、すべて英語にてご提供させていただきます。

【注意事項1】
ハゲタカチェックにおいて提出させていただくレポートは、NAIにおいて「最大限調査可能な段階まで最善を尽くして調査を行った結果をレポート化する」といった形式での提示となります。すなわち、あくまで該当ジャーナルへの投稿を検討される際の、一つの判断材料としてご利用いただくための「ベストエフォートベース」のレポートとなります。その点をご了承の上、ご利用されるようお願いいたします。
【注意事項2】
ハゲタカチェックには、「該当の調査ジャーナルに掲載されている論文の妥当性の確認作業」が含まれております(該当ジャーナルに掲載論文の掲示がない場合もあります。その際はこの妥当性確認サービスは提供できない場合がございます)。NAIでは、「できないこと」を「できる」と偽りお客様にご迷惑が及びことがないように、常に最善の配慮を配っております。従いまして、分野によってはお引き受けできないケースもございます。ご了承ください。

具体的なレポートサンプルをご覧になりたい方は、下記にお問合せください。

※サンプルレポート提供にあたり、簡単なアンケートにご回答いただきます。

調査対象ジャーナル数
(上限5誌まで)
料金納期論文校閲・校正とセット料金
1誌1誌に付 19,800円(税込)
1誌に付 18,000円(税抜)
3~5日別途、ハゲタカ校閲TM・ハゲタカ校正TMのページをご参照ください。
2誌上記1誌の料金×調査対象ジャーナル数×90%4~6日
3誌上記1誌の料金×調査対象ジャーナル数×90%5~7日
4誌上記1誌の料金×調査対象ジャーナル数×90%6~8日
5誌上記1誌の料金×調査対象ジャーナル数×90%7~9日

「ハゲタカチェックTM」は、NAIが自信を持ってご提供させていただいている、

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